西春近の家の実施設計が進んでいます。
今日は2階の床のモックアップを制作しましたのでお施主さんに確認していただきました。

最近は省エネ住宅ということで「高気密・高断熱」といわれる住宅が増えてきています。冷暖房はエアコンで安定した室温を維持し、24時間換気により計画的に新鮮な空気に入れ替わることが可能となり、窓を開けることがほとんど必要なくなっているということも聞くこともあります。

西春近の家も国の基準を大幅に上回る断熱性能の家で設計しておりますが、お施主さんは窓を開けて通風を取りたいとご希望されておりました。僕自身も朝外に出た時の気持ちよさ、中間期に家の中に風が通ることの気持ちよさを日々感じており、お施主さんに共感しておりました。

今回の家は一部2階の構成となっていますが、その床を格子状の床にして重力換気により通風を取ることを提案させていただき、採用してもらうことになりました。ただ、その床がどのようなものか体験したことがないため、実物大の模型であるモックアップを制作して確認してもらいました。

まずは同じ長さにカットしまして、

一定の間隔で留めていきます。

隙間の違いによって3種類制作しました。

お施主さんに実際に乗ってもらったり、透け感や風の通り方を確認してもらったりしました。一番広い隙間は歩きにくいため即却下、踏み心地と通風の感じから2種類で悩まれていましたが、2階をつくる元々の目的は遠くの景色を眺めたいというものでしたので、踏み心地を優先して一番隙間の狭い仕様で進めることになりました。

「見た目は違いがあまり分からないけど乗ってみると全然違うわね!」とおしゃっていました。
1点物の住宅は全体を試作することができないため、CGや小さい模型だけではイメージしにくいところは部分的にモックアップをつくることでお互いに安心して進めることができると思いますし、家づくりをしているという実感をしてもらいやすいと思っています。

打合せ終了後、モックアップは無事お施主さんの物置の棚に変わりましたとさ。再利用は現代の常識ですね!