賃貸住宅が手狭になり、築100年を超える母屋があるご両親の敷地内に計画する30代ご夫婦と子どものための住宅である。
プライバシーの確保と豊かな生活環境の両立
敷地内にはご主人のご両親の家と蔵、物置、弓道場など大きな平屋を中心にして周囲に建物が点在していた。また敷地周辺はマンションや医療施設、住宅などが立ち並び敷地を囲っているような状況であった。
計画建物は予算と建てられるスペースを考慮し総2階建てとし、周囲の建物と調和するように切妻屋根とした。LDKは母屋との距離感の取り方、隣接するマンション駐車場からプライバシーを確保すること、そして遠景が望めるように2階に配置した。2階は切妻の屋根形状に合わせて勾配天井として気積を大きく確保するとともに、気軽に外へ出られるように広めのテラスを設けて豊かな場所になるようにした。
母屋はご両親2人暮らしには広くなりすぎていたため、一部を改修し、離れの倉庫のように活用し、その間をデッキでつないでいる。デッキのある庭には元々植わっていた紅葉を残すようにした。その他の既存物置なども車庫に改修したりするなどし、極力既存の建物を活用しながら将来実家を継いでいくであろう準備ができればよいと考えている。
赤穂の家1
計画地:長野県駒ヶ根市
用途:住宅
工事種別:unbuild
担当:酒井建築計画事務所 酒井宏文
設計期間:2019.8
構造:木造 2階建て
延床面積:116.76㎡